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大阪市内のド真ん中で50年に渡り、商いの街・大阪を見続けてきた船場センタービル。昭和から令和にかけて、開館から50周年の節目を迎えた今も、元気に商売繁盛を続けています!
今回は弊社が色々とお手伝いをしている「船場センタービル」をご紹介します。
ここでまずは、タイトル通りの質問です。
皆さんは「船場センタービル」に入った事はあるでしょうか?
大阪在住の中高年の方々には比較的認知を頂いていると思いますが、大阪府外在住の方は知らない方も多いと思います。実は、京都在住の筆者も仕事で関わるまでは知りませんでした(関係者の皆様、スミマセン)。
約3年前から「船場センタービル」に関わるようになり、周囲の知人や友人、そして仕事で関わる会社やクライアントにもビルの印象を聞くようにしていますが、大半は建物自体を知らないか、知っていても館内には入ったことがないという返答が多い印象です。
そこで今回は、何となく敷居が高いと思われている(?)、この「船場センタービル」の内側・裏側をご紹介していきたいと思います。
船場センタービルは、地理的にはちょうど大阪市のど真ん中にあり、東西約1㎞に渡り10棟のビルが連なる商業施設です。
はっきり言って、とんでもなくワイドに大きなビルです。
50年前の1970年に大阪万博の開催に合わせて市内中央に高速道路を通す際、地権者の権利保全と道路開通との折衷案として、ビルの上に高速道路が走るという当時としては画期的な構造で建設されました。
今でもビルの最上階に位置する施設管理会社で打ち合わせを行う時は、かなりの音・振動が発生するので、まさに頭上を車が通過していることを実感しています。
また市内中央に1㎞に渡る施設ですので、地下鉄が御堂筋線・堺筋線・四つ橋線・中央線と4線と直結しており、地下にも広大な駐車場を構えることで非常に交通の便が良い施設でもあります。
さて、ここで余談ですが、「船場リリィ」というオリジナルキャラクターも存在しています。
大阪のおばちゃんと、招き猫をモチーフにしたキャラクターで、船場界隈のイベントには積極的に出没します。
もちろん、船場センタービルでもイベントの際は、館内で出会うチャンスもあります。
出逢った際は、声を掛けると「リリィの飴ちゃん」が貰えるかもしれませんよ。
それでは、船場センタービルの内側について触れていきます。
まず、商業施設としての特徴は船場地域の特性上、繊維関係・衣服類を取り扱う店舗が最も多く充実しています。
それ以外にも飲食・輸入雑貨・宝飾・靴・鞄などなど、取扱い商品は非常に多岐にわたります。
そして、それらが非常に安価で販売されているのが大きな特徴だと言えます。
「○○ハンズで2,980円で売っていたものが、船場センタービルでは1,980円だった!」という事は良くあります。
(2020年12月時点で50枚入りマスク1箱を350円で販売している店舗もありました。)
多くの商品を安価で揃えられる船場センタービルですが、一般的な商業施設と異なる点が2つあります。
1点目は、この場所で長く商売を続けている店舗が多く、それに伴い顧客層の年齢が上がっている点です。
その為、中高年向けの商品が比較的多く、ベーシックなアイテムは充実していますが、逆に最新のトレンドを取り入れた商品についてはあまり得意としていません(※あくまで個人の感想です)。
2点目は、前述の設立経緯で少し触れましたが、館内が複雑に入り組んでおり、内部のゾーニングが難しく店舗構成が複雑な点です。
結果として、卸売り店舗と小売り店舗が混在している上に、フロアごとに多くの店舗が軒を連ねる為、特に新規来館者は「どこに何があるかわからない??」と買い物しづらい印象を持ってしまいます。
この点が船場センタービルに対して敷居が高いと感じてしまう理由の一つだと思います。
果たして、これから船場センタービルがどのような方向性を目指すのか、最近の取り組み事例を交えながらご紹介していきます。
船場センタービルは2019年に「愛称の公募」を実施し、全国から約6,200件の応募作品を頂き、その愛称を「せんびる」に選定しました。
これ以降現在は、せんびるとして情報発信をしています。ロゴマークやサウンドロゴも作成し、関西では圧倒的なシェアを誇るFM802、FMCoCoLo等でもせんびるとして、ラジオCM等も放送しています。
「せんびる」がある大阪市中央区では、近年新たなマンション群が立ち並び、ニューファミリー層が激増した事で周辺の商圏状況が大きく変化しています。
その為、既存イメージからの脱却を図るためにも「見え方・見せ方」を大きく変更していきます。
イベント等も企画段階からファミリー層を念頭に置き、特に子連れで来ても楽しめる施設とのイメージ付けを重視しています。
そして開館50周年事業として、大阪の新名所となるべく総勢24名のアーティストとコラボした巨大壁画プロジェクト「SMP」(Semba Mural Park)を爆誕させました。
もう一度言います。
Semba Mural Park です!
SMP です!
どこか昭和レトロな雰囲気を感じる「せんびる」において、圧倒的な壁画アートと映像演出を用いて、明らかに異質で一線を画す空間が生みだされました。
今後も館内各所にこのような仕掛けを作ることで、「どこに何があるかわからない状況」を逆手に取り、常に「新たな発見」がある施設を目指していきたいと、(勝手に)考えております。
さらには最新情報として、2021年の4月より日曜日と祝日も開館することとなり、パワーアップを遂げております。
(ただし、毎月第3日曜日はメンテナンス休館ですので、ご注意ください)
今回は、これでも「せんびる」の概略の一端をお伝えしたに過ぎません。
3年余り関わっていますが、この余りに大きな商業施設には日々新たな発見があります。
皆さんも是非「せんびる」に遊びに行ってください。
……まず、迷います(笑)。
迷いながらも、自分自身で楽しみを開拓していく事も「せんびる」の楽しみ方の一つですから…。