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皆さま、野球は好きですか？
私はプロ野球が好きで、特にスワローズが好きです。
2021年に久しぶりに日本一となり浮かれまくっていた私に、スワローズに関する記事を書く機会が与えられました。
ファン歴ざっと30年超。書くことがいっぱいあるはずですが、しっかりした読み物等は専門の方が出されているのでそちらを読んでいただくとして、私は超個人的観点からスワローズ選手（＋α）の魅力をご紹介したいと思います。
たくさんご紹介したい選手がいますが、文字数もあることなので、泣く泣く3名に絞ってお伝えします。
1999年のアジア野球選手権大会。当時、青山学院大学の学生であり野球部のエースだった石川投手は一人のキャッチャーに出会います。スワローズの正捕手で球界屈指の名捕手古田敦也氏です。
予選で古田選手とバッテリーを組んだ石川投手は、その後2001年自由獲得枠でスワローズに入団。入団の決め手は古田氏にボールを受けてもらいたいというのも理由の一つだったそう。
2002年ルーキーイヤーに12勝を挙げて新人王を獲得。2006年まで5年連続で二桁勝利を上げ、一時期低迷した時期もあるものの、コンスタントに白星を挙げて2021年シーズン終了時点で177勝をあげました。
石川投手入団時の2001年はスワローズが日本一となった年です。石川投手本人は入団時、また優勝出来るだろうと語っていましたが、そこからヤクルトが低迷。なかなか優勝とは無縁の生活となります。
そして2015年、スワローズはこの年14年ぶりのリーグ優勝を果たし、石川投手自身も13勝をあげて優勝に大きく貢献します。
自身初めての日本シリーズは最強と言われるホークス相手。第1戦と5戦に先発するもいずれも黒星。チームも敗退し、悔しさの残る結果が残りました。
2021年、石川投手自身は開幕前不調の為、開幕ローテに入る事が出来ず、2軍で調整していたものの、徐々に調子を上げていきます。
そして迎えた日本シリーズ第4戦。東京ドームのマウンドに立った石川投手は、変幻自在の投球でオリックス打線を手球に取り、6回1失点の好投。
41歳にして日本シリーズ初勝利を挙げます。この時のヒーローインタビューは、涙なしには見られないものでした。そしてその勝利から3日後の11月27日に、寒空の神戸の地でスワローズは20年ぶりの日本一を勝ち取ります。石川投手の入団時の夢が叶った瞬間でした。
石川投手は身長167cm、野球選手としては決して恵まれた体格ではありません。
また、大谷翔平、松坂大輔、田中将大といった投手のように150キロを超える速球を投げるわけでもない（ストレートの速度は平均で130キロ代）ものの、類まれなる制球力と多彩な変化球を繰り広げリーグを代表する強打者を手球に取り、白星を積み重ねてきました。
豪速球がなく、また身体が小さくてもしっかり勝利し、入団以来大きな怪我もなく、20年間投げ続けているという素晴らしいピッチャーなのです。
スワローズの日本一は、石川投手にとってはきっと通過点。目標は残り23勝に迫った200勝でしょう。
200勝は石川投手だけでなく、スワローズファンにとっての願いでもあります。
年齢的に厳しいのではないかという声もありますが、幾多のピンチを乗り越えた石川投手であればはやってのけるではないかという期待感が高いのです。
来たる2022年のシーズンも石川投手が変幻自在の投球で強打者を手球に取り、スワローズを勝利に導いてくれる事を信じています。
野球好きの人なら彼の名前を聞いて思いつく事といえば「トリプルスリー」ではないでしょうか。
トリプルスリーとは、シーズンに3割、30本、30盗塁を達成すること。ただこの3つをシーズンに達成する事はかなり難しく、プロ野球約70年の歴史の中で達成者は山田選手を入れて10人のみという難易度の高い記録です。
山田選手はそのトリプルスリーを1人で3回も達成しているという前代未聞の選手です。
出身は兵庫県宝塚市、高校は履正社高校。まさに関西が産んだスーパースターといえるでしょう。
2010年ドラフト1位でヤクルト入団。
ただ元々スワローズは昨年引退した、斎藤佑樹投手を1位指名したがクジを外し、次に現楽天の塩見貴洋投手を外れ1位で指名するも、またもクジを外し、その外れとして山田選手を指名。オリックスと重複したものの、ここでようやく当たりクジを引く。
そう、外れ外れ1位でヤクルトに入団したのです。
2011年のルーキーイヤーは1軍公式戦への出場はないものの、クライマックスシリーズで怪我人続出の為、急遽1軍に昇格し、公式戦未出場ながら、クライマックスシリーズでデビュー。
2012年、13年は1軍出場機会も増え始め、2014年にレギュラー獲得し、一気にブレイク。
この年日本人の右打者最多安打の新記録を達成します。
2015年トリプルスリー達成し、ヤクルトの優勝に貢献。
日本シリーズでは第3戦に3打席連続ホームランを放ち、シーズンオフに背番号1に変更名実ともにミスタースワローズとなります。
そして先述の通りトリプルスリーは2016年、2018年にも達成。
スワローズファンがやきもきしたのは2020年のシーズンオフ。FA権を保有していたので、移籍するのでは？と心配していました。それもジャイアンツに行くことが濃厚という報道が多くみられ、「山田よ、お前もか…」と暗い気分になったものです（まだ決まってもいないのに）。
しかし！山田選手は7年40億円という超大型契約で残留を決意。スワローズファンは残留のニュースを聞いて大いに喜びました。
シーズンオフには自ら立候補して、キャプテンに就任。本人の性格を考えると前に出るタイプではなさそうですが、チームを引っ張りたいとの思いで立候補したとのこと。びっくりしつつ、何だかチームが変わりそうな期待感が高まりました。
そしてキャプテンとして迎えた2021年は勝負強いバッティングでチームを勝利に導き、守備の面でも幾度なく好守備を連発。また、ピンチの場面ではマウンドに駆け寄り、キャプテンとして投手に声掛けを行う所が垣間見られました。
昨年の東京オリンピックでもチャンスの場面で勝負強いバッティングを見せ、日本の金メダルに貢献しました。
そして日本シリーズでは第5戦で敗れはしたものの、8回に一時同点に追いつく3ランホームランを放ちます。この時、テレビで観戦していた私はあまりの感動に生まれて初めて「プロ野球の試合で号泣」しました。まさにスーパースターです。
そして、第6戦日本一の最後のアウトはキャプテン山田選手へのセカンドゴロ。
日本一が決まった瞬間、山田選手は号泣。重圧は測りしれませんが、1年間のプレーやキャプテンシーが報われた瞬間だったのだと思います。
山田選手は今シーズンもキャプテンを務めます。連覇に向けてチームを引っ張る姿を期待したいです。
今からさかのぼること約2年前の2020年2月11日朝。衝撃と共に一気に眼が覚めるニュースが飛び込んできました。
野村克也氏、逝去。
プロ野球選手として活躍後、南海ホークス、スワローズ、阪神タイガース、楽天ゴールデンイーグルス、他にも社会人野球など数々の球団の監督を務めた、言わずと知れた名将です。
野村監督（以下、ノムさん）は奥様のサッチーが亡くなってから一気に老け込んだ感じがしたものの、私の中では勝手に「なんとなく死なない著名人ランキング」の上位に入っていたため、衝撃的で悲しい出来事でした。
亡くなる前月（2020年1月）に開催されたスワローズOB会では、スワローズ監督に就任した高津監督を激励している様子はニュースで報じられ、この年もノムさんのボヤキを聞きながらペナントを楽しめると信じて疑わなかったのです。
私が野球を見始めた時のスワローズの監督がノムさんであり、90年代のノムさん監督時代にはスワローズを強いチームに作りあげ、4度のリーグ優勝、3度の日本一に導いています。
幼少期に強いスワローズを見て育っている自分にとって、ノムさんはファンに夢を見させてくれた監督。それゆえ未だにスワローズの監督と言えば？と聞かれると、ノムさんと答えるのです。
ちなみに卒業文集の中にあった「あなたの尊敬する人は？」の質問に対し、皆が「親」「先生」と答える中、「野村克也」と答えた小学生は私です。
なお、東京在住の身内Aはノムさんが亡くなってから4日後、神宮球場で献花台が設けられるとのニュースを聞き、神宮球場に直行。オフシーズンだったものの、多くのスワローズファンが献花に訪れていた様子を目撃したそう。
本来なら、その1か月後にお別れの会が開催される予定でしたが新型コロナウイルスの影響により、お別れの会自体が延期となりました。
コロナめ・・・！
が、この延期は結果的には悪い事ばかりではありませんでした。
ノムさんが亡くなった2020年のスワローズは最下位に撃沈。それも、チーム最多の負け数というなんともふがいない結果に終わりました。とてもノムさんに報告できる成績ではなかったのです。
そこから約2年の月日を経た2021年12月11日。「野村克也をしのぶ会」が神宮球場で開かれました。
この日の天気は快晴、かつ冬にしては比較的暖かい気温の中、ノムさんの教え子のひとりであり2021年日本一の監督となった高津臣吾監督が、ノムさんに優勝を報告されました。
なお、午後からは一般向けに公開され、先述の身内Aは献花に訪れたので、その時の様子を教えてもらいました。
「14時開催予定だったが、早い時間から神宮球場の正面玄関前に多くのファンが来場していた。スワローズはもとより、阪神、楽天、南海等ノムさんが関わった球団のユニフォームを着ているファンもチラホラ見受けられた。球場外の3塁側のコンコースに行列に並び、14時過ぎ順番に神宮球場のグラウンドに入場。神宮球場のグラウンドにはイベントで何回か入場した事があるが、今回は追悼という事もあり、感傷的な気分になる。バックネット前のホームベース付近に献花台が設置されていた。ノムさんがキャッチャー出身という事もあり、思い入れのあるホームベース付近に設置されたとの事だ。
献花台の中心の写真は2019年にヤクルト球団設立50周年を記念して行われたOBによるスペシャルマッチ「ドリームゲーム」時の打席に立った時の写真である。スワローズのユニフォーム姿でバットを握ったノムさんの姿には感慨深いものを感じる。」
なおこの「ドリームゲーム」にやはり身内Aは現地へ赴き、打席に入ったノムさんを生観戦していました。
「スワローズ以外の球団時の写真も置かれていたが、ノムさんはユニフォーム姿が似合っているなと改めて実感。亡くなってから2年、ようやく「本当にありがとうございました。また、教え子の高津監督がスワローズを日本一に導いてくれましたよ。これからも天国からスワローズを見守ってくださいね」とお礼をいう事が出来た。
グラウンドを出ると来場者にパンフレットとノムさんの書籍「野村の遺言」の手渡しがあった。書籍自体はまだ読めていないが、ノムさんや多くの名言も残している。
それは野球だけに留まらず、仕事や人生においても当てはまる事が多い。ノムさんの書籍を読みながら、残した言葉に思いを馳せながら、新しい年を過ごしていきたいものである」
さて、もうすぐキャンプインです。
今年は何かと話題も多く、スワローズ以外にも面白い試合が見られるのではないかと例年以上に期待がふくらみます。
そして、まだまだ落ち着かない状況は続きそうですが、今年こそ球場で歓声を上げつつ観戦できることを願っています。