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せんびるサンデーマーケット

今回は、これまで何度か取り上げている大阪市中央区にある商業施設、船場センタービル(通称:せんびる)の取り組みについてお伝えします。
以前も述べましたが「せんびる」は1970年の大阪万博の際に、大阪市の中央に高速道路を通す為に誕生しました。
ビルの上に高速道路が走り、ビル内部にその場所で商売をしていた方々が入居する形が採用され、現在に至ります。

当時、船場エリアは「繊維の町」として知られ卸売業の方が大半を占めていたようです。
その影響で、卸売業が休みやすい日曜・祝日を長らく休館日としていました。

しかし時代が移り変わり、館内でも小売り・飲食業の方が増え、一般消費者を相手にする必要性が年々高まってきました。加えて、ビジネス街だった船場界隈もマンションが立ち並び、子どもがいる家庭が急速に増えてきています。近年、「せんびる」が建つ「本町エリア」は住みたい街ランキングで上位に入るようになり、ビジネスマン相手からニューファミリー層を見据えた運営に切り替える事が急務となりました。

こうした状況下で、新型コロナの収束状況を見極め、3月13日に第1回、4月10日に第2回、そして5月22日に第3回の「せんびるサンデーマーケット」が実施されました。(→所謂、「フリーマーケット」ですね)

それでは前段が長くなりましたが、この「せんびるサンデーマーケット」の模様をお届けし、「せんびる」の今後について考察していきたいと思います。

(1)3月13日 第1回せんびるサンデーマーケット

初回という事で、どの程度集客できるか気を揉みましたが春らしい陽気の下、快晴にも恵まれ、想定以上に多くの方に足を運んでいただけました。

出展者もフリマでは定番の古着やパーソナルカラー診断、野菜の直販、各種ワークショップや似顔絵販売、そして手作りアクセサリーの販売など実に多岐にわたりました。

初回の感想として、子供連れのお客様が多かった印象です。前述した通り、地域居住者の変化を強く感じました。まだ立ち上げたばかりでこのフリーマーケット自体の方向性・色については、今後継続する中で見定めていくことになると思います。

初回としては、可能性を感じられる立ち上げになったと思います。

(2)4月10日 第2回せんびるサンデーマーケット

第2回は、FM802が初めて実施するフィッシングイベントとの共催となりました。
このイベントは、釣り具メーカーがブース出展して会場限定グッズを販売するもので、朝一番から行列ができるほど熱心なフィッシングファンが多数訪れました。

また、今回は前回に子供連れが多くみられた事を踏まえ「子ども縁日」を企画し、事前に配布したチラシにも無料参加券をつけて配布しました。

結果、館内にチラシを持って歩く家族連れが多くみられ、「子ども縁日」自体も参加者がほぼ途切れず、楽しんでいただけました。

フリーマーケットの方も、初回に引き続き出展された方をはじめ、多様な出展者が見られ、お買い物を楽しんで頂けたと思います。

この日も前回同様に好天に恵まれましたが、今回のような「お出かけ日和」だと行楽に出かけえしまうので、大阪市の中央にある「せんびる」は都心にある事がマイナスに働くことも見えてきました。

(3)5月22日 第3回せんびるサンデーマーケット

第三回目は、5月のGWを挟んだ影響で少し間が空いて5月下旬の22日の開催となりました。募集期間が十分とれた事もあり、過去最高の33店舗の出展がありました。
また、前回同様に子ども縁日も実施しお子様連れのご家族にも楽しんで頂けました。

3回目という事もあり、子供連れを中心とした客層や、ピークの時間帯など大まかな傾向がわかりました。

(4)これまでの所感

ここまで3回実施した事で、せんびるの「フリマ会場」としての強みと弱みについて見えてきました。
まず、館内で実施する為、屋根と空調があり天候に左右されないというのが一番の強みと考えていましたが、3回の開催を通じて出展者・買い回り客ともに快適に過ごすことが出来るのを確認できました。
屋外で開催されることが多いフリーマーケットは「夏・冬」はオフシーズンとされていますが、この時期の出展ニーズを取り込むことが出来るのでは?と仮説を立てており、今後の検証課題です。

また、来館者について子供連れが増加していることは想定していましたが、せんびるに直結している大阪メトロ「本町駅」を基点とした人流が想定を上回りました。現状は近隣住民をターゲットとしていますが、将来的にはターゲットエリアを拡張できる可能性を感じました。
その他にも、物販を中心に出展者を募っている影響で、買い回り中心の行動になってしまい来館者の滞在時間が短い傾向があります。
今後は、飲食・休憩スペースの設置など、より来館者を楽しませる仕掛けが必要だと感じました。

船場エリアは住人・特性・イメージなど地域特性が大きく変わりつつあります。
生まれ変わりつつある街の中で「せんびる」が文字通り船場エリアのハブとなり、地域の中でより重要な役割を担えるよう邁進していきます。