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気候変動や温暖化など、地球環境に対する問題提起や意識改革が進む昨今、世界中で様々な取り組みが進められています。
こうした中、現在「ある素材」に注目が集まりつつあります。
その素材の原料となるものは、私たちの生活の中で実に身近にあるもの。
新たな可能性を秘めた、その素材に迫ります。
Contents
石灰石って、聞いたことありますよね?
世界にほぼ無尽蔵に存在しており、日本国内においても100%自給自足できる資源で、この石灰石を活用した例としては、学校校庭での運動会で線引きに使われる白い粉や豚や鶏の飼料の他、最近ではカフェやレストランでも見かけるチョークアートのチョークなどがあり身近な存在です。
この石灰石(=Limestone)を主原料として、紙やプラスチックの代替品として開発・改良された新たな素材が、今回ご紹介したい「LIMEX(ライメックス)」です。
では、紙やプラスチックの代替品になると期待されているLIMEXの具体的な特徴はどのようなものでしょうか?
今回は代替品の一つ、「紙代替」に焦点を当てていきたいと思います。
紙代替品のLIMEX製品の特徴として、水資源、森林資源問題の改善に貢献できることが挙げられます。
通常の紙の原料はパルプですが、まずは紙がどのように作られていくのか簡単に製造過程を見ていきましょう。
パルプは木材や古紙を原料とし、木材から作る場合、繊維を取りだすために高温高圧窯で薬品と共に煮込んで、木材の接着剤の役割を持つリグニンという成分を溶かしていきバラバラな状態にします。
次に異物などを取り除くために、大量の水できれいに清浄していきます。この時、使用される水の量は某製紙会社HP掲載記事によると(水を再利用するなどの工夫を行ってはいるものの)、1トンの紙を製造するために水を50トン~100トン使用しているとのこと。その多くは排水されるので、大量に水を使用し、排水していくことによる水問題が指摘されてきました。
その点、木を使わないことで結果的に大量の水を用いない紙代替LIMEXシートを紙の消費の一部に置き換えていくことで、世界で深刻化している森林保護、水汚染保護問題に貢献できると考えられています。
また、LIMEXシートは、元は台湾で開発された「ストーンペーパー」に端を発した素材でしたが、ストーンペーパーが持つ問題点を新たな技術開発により改善し、軽量化、高品質化に成功しました。耐水性が向上したため、水周りの環境や屋外での活用にも適している点も大きな特徴といえるでしょう。
これらの場面で紙製品を活用する場合、多くはラミネート加工するなどの工程が必要ですが、このLIMEXシートの場合は耐水性・撥水性があるために、その必要がありません。
ペーパーレス化といわれて久しいですが、日常にまだまだ溢れる紙。様々な特徴を持つLIMEXシートを実際に活用しながら、更に研究、開発を進めていくことで可能性がますます拡がっていくのではないかと期待されます。
LIMEXシートの製品市場としては、名刺、チラシ、ポスター、紙製袋、メニュー表、POP、冊子など枚挙にいとまがありません。
また現在も日々研究が行われているLIMEXは、その多様な活路を見出すため日進月歩のスピードで新規開発に取り組んでおり、先に挙げた「紙代替」以外にも様々な可能性を秘めています。
まずはLIMEXシートがどのような素材であるかを知ってみるために、名刺など日常の身近な物から活用してその特徴を実感してみませんか?
それでは次回は、「プラスチック代替」としてのLIMEXについての可能性について書いていきたいと思います。
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